SUBJECT シャフト加工時のノウハウ
長さが長いシャフトの旋盤加工の場合、芯押し台にてチャックと逆側のワークの中心を保持します。加工するとワークが熱をおびてくるため、熱膨張によりワークは長さ方向に伸びようとします。この時、チャックと芯押し台の両端からワークを押しているため、熱膨張の行き場がなくなると軸部分に熱歪みが発生します。その状態のままに加工を行うと、形状不良や寸法不良などの不具合が発生してしまいます。
SOLUTION 熱変位を逃がす
長尺シャフト部品を加工する際のポイントとして、芯押し台を使用しながら加工温度の上昇による素材の膨張をうまく逃がしながら加工を行うことが必要となります。具体的には、加工とともに発生する熱による熱膨張を逃がすため、温度上昇に伴って芯押し台の位置を少しずつずらしていきます。
どのタイミングで、どの程度位置を変えるのかには経験と熟練のノウハウがありますが、熱膨張によるワークの変形を見越して加工を行うことがポイントです。